【取材日記】ガールスカウト千葉県第65団
更新日:2023年09月08日
「キリンさん、キリンさん~♪」7月のある日の日曜日、有秋公民館実習室からは何やら楽しそうな歌声が聞こえてきました。
気になってのぞいてみると、そこには子ども3人と大人5人が楽しそうに踊りながら歌っています。
その正体は「ガールスカウト千葉県第65団」の皆さん。今回は、集会での活動の様子もお伝えしながら普段の活動もご紹介します。
ガールスカウト千葉県第65団は、ブラウニー(小1〜小3を対象)・ジュニア(小4〜小6を対象)・シニア(中学生を対象)・レンジャー(高校生を対象)の部門に分かれて、成人会員(18歳以上を対象)と共に活動を行っています。
それぞれ達成目標や活動内容は異なり、段階に応じた取り組みを進めています。
今回取材を行ったブラウニー部門は「自分を表現すること」を目標としています。その他の部門の目標については以下のとおりです。
ジュニアは「仲間と協力すること」・シニアは「体験を通して自分を見出すこと」・レンジャーは「責任ある立場で自分を生かすこと」・成人会員は「創造的な生き方を目指すこと」をそれぞれ目標として掲げています。
ガールスカウト千葉県第65団は少女と女性が責任ある世界市民として、自ら考え、行動できる人となることを目的に活動しています。「自己開発」・「人との交わり」・「自然とともに」の3つを教育のポイントとして位置づけています。
会員数は、スカウト14名、成人会員34名の総勢48名です。
18 歳以上の成人会員は、リーダーや運営員として少女の活動を支え、自分自身の生涯学習の場として活躍しています。ガールスカウトには、少女たちの活動を支援するため、独自の指導者養成システムがあり、技能や知識を身につける機会を提供しています。各講習会、研修会を経て資格を取得した人が各部門を担っています。
お伺いしたときは丁度、3年ぶりに実施するキャンプの実施に向け、キャンプソングの練習中でした。
キャンプソングと一口に言っても、実に様々なものがありその種類の多さに圧倒されました。この日は、「いちごケーキ」「なっとうのうた」「せんたく」「バナナ オブ ザ ワールド」などを披露してくれました。
一度聴いたことがある曲だけでなく、初めて聴く曲もいくつかあり新鮮でした。
今回は、参加者が3名と少なめでしたが、そんなことを感じさせないくらい元気な声が会場中に響き渡っていました。
おかげさまで、夏の暑さもどこかへ吹き飛びました。
また、体もやい結びなどのロープ結びも行いました。キャンプなどの野外活動の実践に結び付く内容で、かなり本格的でした。最初は苦戦している子もいましたが、やっていくうちに以前の記憶が呼び起こされたのか、すぐにコツをつかみあっという間に結び終わっていました。子どもの能力は計り知れないですね・・・
ロープ結びは、キャンプなどの野外活動はもちろん、普段の生活においても生かすことができる機会があります。人命救助や家庭菜園、野外活動などでも役立つ能力です。生活全般で活用できる実践的なトレーニングなのです。
最後に、牛乳パックで手作りのブーメランを作成しました。皆それぞれのアレンジを加えて、いかに遠くに飛ばせるか競い合っていました。色ペンや折り紙、シールなどを使って、華やかな仕上がりとなっていました。皆それぞれ思い思いの作品が完成しており、大変満足気でした。
参加者の3人に感想を伺ったところ、
「アクションソングをやったり、ブーメランを作ったりと楽しかったです。」と小学1年生からガールスカウトに参加しているあかりさん。
「ロープ結びは思いのほか簡単でした。今では10種類くらいのロープ結びができます。」と読書好きないくさん。
「ブーメランにシールを貼って作ったのが最も印象に残っています。ダンスも楽しかったです。」とももかさん。
部門を超えた交流も盛んに行われており、横だけでなく、縦のつながりも強化されています。
実際に、東日本大震災の被災地支援の一環として始めた「ひまわり里親プロジェクト」では世代の垣根を超えて里山で種まきをしたり、野外遊びをしたりしています。団体の中での結束力が大変強い印象を受けました。
「大俵桜の里保存会」の協力のもと、一般の人からも参加者を募り種まきが行われました。収穫した種は福島へ送ります。震災を経験していない子にも被災地に想いを寄せ、非常時に自分の身を守る行動を考えるきっかけにもなります。息の長い支援活動です。
農業体験の一環として、毎年1つ何の種か子どもには教えずに、1種類の種をまき、世話をしながら収穫を待ちます。今年の収穫はもうすぐとのことですが、どうやら「かぼちゃ」らしいです。水撒きや草刈りなどの活動を通して根気良く育てる力を培うとともに、観察力を養うことにも期待できますし、食材として扱うことでの調理の楽しさや、生産者、親への感謝にもつながります。
昨年は、枝豆の収穫を行いました。枝豆をしばらく放っておくと、大豆になるためお正月にはそこから味噌を作りました。大変充実している様子がうかがえました。
このように、ガールスカウトでは、豊かな人生を送るために必要な要素を育む活動が数多く展開されています。
SDGsに沿った活動も以前から取り組んでいます。目標14の「海の豊かさを守ろう」を達成するために、木更津の盤洲干潟でゴミ拾い活動を行っています。
「このような貴重な体験ができることに加えて、世代の垣根を超えた対話の機会が数多くあるため、人と接する際には物怖じせず自ら進んで声をかけられるようになりました。そのため、クラス替えや高校・大学入学などの人生の筋目ではすぐに友達ができます。」とヤングリーダーの岩本さん。
「学校とは異なり、幅広い年代の方とコミュニケーションをとる機会が多く柔軟な考えが身につきました。協働作業での協力や分担、指示できる能力が自然と身につきました。」とヤングリーダーの田中さん。
やりがいについて伺ったところ、「個々の性格や進捗度に合わせて指導することが難しいです。企画から実践までの実力が身につくのが大きいです。」と田中さん。
「バッジ獲得のために目標を持って活動するよう意識したり、他の団体と連携したりすることです。」と岩本さん。
今後の展望について伺ったところ、代表の越智さんは「ヤングリーダーの二人のような存在が今後もっと増えてほしいですね。若い女性が幸せになれるために今後も精いっぱいサポートしていきたいです。」と話してくださいました。
ガールスカウトに参加することで、学校とは違う友達関係が構築され、子どもにとって特別な居場所が形成されます。普段できない体験を出来る楽しみもあります。子どもの知的好奇心を刺激するワクワク感を思う存分味わうことができるのは醍醐味ですね。
活動を通して、学校でも社会でも役立つ企画力やアイデアが身につきます。
会員は随時募集中のようなので、団体の活動状況がよくわかるガールスカウト千葉県第65団のFacebookを覗いてみてはいかがでしょうか。