【取材日記】予備役ブルーリボンの会
更新日:2023年09月08日
突然ですが、質問です。「市原市で4人」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
答えは、市内で北朝鮮に拉致された可能性があると認定された被害者の人数です。これを聞いて「えっ嘘でしょ」と驚かれる方は多いのではないでしょうか。実際に私自身も、今回お話を伺うまでは知らなかったので、こんなにも身近で起きているのかと、一瞬背筋が凍りました。
北朝鮮による拉致被害については、これまで、新聞やテレビなどのメディアを通じて数多く報道されているため、ご存じの方も多いかと思います。ただ、市内における被害者の存在についてはほとんどの方がご存知ではないかと思います。
今回はそんな北朝鮮による拉致被害者を「自ら現地に行ってでも救い出したい!」という熱い想いを常に抱えながら活動に取り組んでいる団体「予備役ブルーリボンの会」が、7月16日に拉致被害者横田めぐみさんを中心として描かれた映画を市内で上映されるとの事で、会員である木本さんから会の活動や上映実施への想いについてお話を伺いました。
取材日当日は、木本さんの活動をそばで支えてくれている奥さんも同席してくれました。
木本さんは、かつて陸上自衛隊として6年間活躍されていた経験と、予備自衛官としての30年間の活動で感じた想いを国防論に関する書籍にまとめ、出版された方として有名です。自衛隊を退官されたあとは、プラントエンジニアとして、リビアやインドネシア、カタールなどの各国で働く傍ら、日本で毎年1回実施される予備自衛官の訓練に一時帰国して参加されていました。お話を伺っていて、木本さんの脳裏には常に平和の重要性がよぎっているのだと実感しました。
近年、北朝鮮による拉致被害は日本だけでなく世界中で問題となっています。特に、日本は島国であり、かつ距離が近いということで被害者数が世界的にも多く問題は深刻化しています。
日本における拉致被害者と聞いて、皆さんが真っ先に思い浮かべるのは「横田めぐみさん」ではないでしょうか。彼女は、新潟県で拉致されたまま現在も行方が分からない状況です。父親である滋さんは亡くなり、母親である早紀江さん達が中心となり救出活動を進めていますが、被害者家族の会のメンバーの高齢化も進み、今後活動が続けられるのかといった課題に直面しているのが現状です。
日本国内において、日本海側での被害者数は太平洋側地域に比べて圧倒的に多いです。これには、地理的要因が関係しています。ただ、千葉県を始め東京都や神奈川県などの太平洋側地域においても被害者は一定数存在していることから、決して他人ごとではなく、一人一人が自分事としてとらえ危機意識を共有して欲しいとの想いで活動をされているそうです。
木本さんは、市原市に住んでいることを生かし、「今後は市内でも活動を活発に行っていきたい」と熱く語ってくれました。そうして語り継ぐことで、若者から高齢者まであらゆる世代に北朝鮮による拉致被害の実態について理解してもらい、想いを共有したいそうです。
予備役ブルーリボンの会は、全国で活動を行っており、シンポジウムや講演会、映画の上映会の他、拉致状況のシミュレーション等を中心に活動を進めています。シミュレーションは、実際に拉致された現場に団体自ら足を運び当時の様子を再現することで検証しています。 また、拉致被害者の家族の方と交流会を開催したり、アメリカに行き国防相に拉致被害者の救出を求めるために訴えるなど世界を股にかけて活動を進めています。
今回上映される映画を見ることで、北朝鮮による拉致の実態や決して他人事では済まされない問題であることを感じて、一人でも多くの方が拉致被害の恐ろしさについて理解し、被害者救出のためにできることを考えるきっかけとなればと話してくださいました。
なお、上映会の詳細については以下のとおりです。
【内容】
映画「めぐみへの誓い」の上映とミニトーク
【開催日時】
令和4年7月16日(土)14時〜16時半
【会場】
ウエルシア・コミュニケーションセンターいちはら(ウエルシア市原国分寺台店2階)
市原市南国分寺台4−1−1、市役所から徒歩10分
※駐車場は店舗第2駐車場をご利用ください。
【参加費】
1,000円(当日会場にてお支払いください)
※高校生以下は無料
【定員】
100名
事前申し込みの方は優先入場可能です。下記メールアドレスに「市原CF参加希望」と記入の上、参加者氏名と電話番号をお知らせください。
【問い合わせ先】
予備役ブルーリボンの会
info@yobieki-br.jp