【取材日記】野毛町会

更新日:2023年09月08日

 今回の取材先は「野毛町会」です。そして、今回は町会長自ら貴重なお話をたくさん聞かせてくれました。

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 野毛町会が行っている主な活動は、「通学路の環境整備」です。具体的には、通学路沿いに生い茂る草木を刈る作業を行っています。小・中学生にとって平日の朝、毎日利用する通学路は日常生活を送るうえで重要な存在です。もし草木が伸びたまま放置されていれば、道が狭くなり一列で歩かざる得ない状況になったり、前方の視界が遮られているためすれ違いざまに人同士がぶつかったりと様々な懸念事項が予測されます。したがって、野毛町会の存在はもはや地域にとって欠かせない存在だといえます。

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 野毛町会が草刈り作業を始めたのは、ここ5,6年の間です。活動を始めたきっかけを聞いたところ「長く伸びた草に子供の袖が当たっている姿を目の当たりにしてこれはまずい」と感じたようです。また、高齢者が草の生い茂る道を自転車で走る姿を後ろから見た際にも「危ないな、何とかしないと」と思ったようです。そこで、町会自ら除草作業を始めることを決意したそうです。  

  このように、普段の何気ない光景が目に留まり活動発足に結び付いたようです。地域コミュニティの閉鎖化が著しい現代においては、多くの人は頭では考えていてもなかなか行動に移せないでいます。しかし、そんな社会情勢の中でも野毛町会は「私たちがやらなくては」という強い使命感を持って実行に踏み切りました。町会長のお話を直接聞いて改めて活動への強い思いを確認することができました。    

 除草作業は毎年3月ごろから始まります。というのも、温かくなる前に草を刈ることで害虫等が発生するのを防いでいるようです。夏が近づけば草の生えるスピードは一段と速まり手に負えなくなることが予測されます。そのため、春先の比較的早い時期から草刈り作業を進めているようです。  

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 現在のメンバーの数は25名でそのほとんどがお年寄り。コロナ禍以前は、地域の「子ども会」に参加していた児童やその保護者の方も活動に関わっていたようでにぎやかだった様子。ただ、現在はコロナ禍ということで蜜を避けるためにその半分の人数で何とかやりくりしているようです。そのため、現在は以前に比べて活動拠点も少なくして活動を進めているようです。  

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 やりがいは子供たちの「笑顔」。子供たちが朝、笑顔で元気な姿で登校している様子を目にした時は「やって良かったな」と心から思うそうです。通学路は子供だけでなく高齢者や若者などあらゆる世代の人々が普段生活を送るうえで利用します。最終的には、誰もが安心して快適に過ごせる環境の実現につながります。大変ありがたいことですね。

 実際、私の地元においても草木が生い茂っている歩道がいくつか存在しますが、毎年春から夏の暑い時期にかけて草が短く刈られている姿を目の当たりにします。今回、野毛町会からお話を聞いて改めてその場所を通ってみると「快適に利用できるのは誰かのおかげなのか、ありがたいことだな」としみじみと実感しました。同時に、毎日快適に過ごせるのは当たり前ではないということを強く思いました。自分が今こうして何不自由なく幸せに暮らすことができるのはきっと誰かのおかげです。常に感謝の気持ちを忘れずに過ごしていきたいですね。

 最後に、今後の展望を聞いたところ「担い手不足の課題に今まさに直面している。ぜひ若者が活動の中心的存在となって地域を盛り上げていってほしい。そのために、今後は若者が参加しやすい雰囲気づくりに努めていきたい。」と力強く語ってくれました。 もしあなたが道端を歩いていて、草刈り作業を行っている人の姿を目にしたらまずは「ありがとう」と言葉に出して伝えてみませんか。そこから新たなつながりがきっと生まれることに期待して 

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インタビューの様子はYouTubeから見ることができます。