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【取材日記】房総太巻き寿司を伝える会

更新日:2022年02月14日

お知らせ

みなさん房総太巻き寿司を知っていますか?
房総太巻き寿司は海と里の幸に恵まれた上総地方でなんと200年前から作られ、伝えられてきた郷土料理です。
農林水産省の「郷土料理100選」や、市原の宝50選にも選ばれている、見た目が美しく、食べておいしく、しかも栄養満点なお寿司です。小湊鉄道の柄の太巻き寿司は、令和2年に市原市の「ふるさと名物応援宣言」を受けています。

P1070214-1.JPGのサムネイル画像今回は、房総太巻き寿司を伝える会の福嶋さんと上田さんにお話を伺いました。

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代表の福嶋さん(左)と上田さん(右)

以前は東京湾で採れる海苔や米、かんぴょう等地元の食材を使い、冠婚葬祭などの人が集まる席では、どこの家庭でもおもてなし料理として作られていた房総太巻き寿司。近年では、食生活や生活環境の変化により太巻き寿司を作れる人は少なくなり、市原市の郷土料理であることを知らない人も増えてきました。

もともといちはら食育の会で郷土料理の伝承に取り組まれ、太巻き寿司の体験教室も開催していた上田さんのところに、ある日、体験教室のポスターを見た高校生から電話がありました。内容は、「どうして太巻き寿司の体験教室をやるのか」というもの。高校生の話を聞いてみると、太巻き寿司が市原市の郷土料理であることを教えてもらったことがなかったということがわかり、上田さんは危機感を抱きました。

そこで、見た目が美しく、美味しい房総太巻き寿司を知ってもらい、この伝統ある郷土料理を若い世代に伝えていくため、房総太巻き寿司を伝える会の活動をはじめました。

今年度は、特に太巻き寿司の歴史に関する冊子づくりに尽力し、君津漁業資料館や袖ケ浦市郷土博物館、国会図書館などを訪れ、様々な資料に触れ、たくさんの方々の協力を得ながら一年をかけて冊子を作り上げたそうです。

冊子の表紙.jpgのサムネイル画像冊子の中身は、千葉県の内房地域で海苔が作られるようなった経緯や、江戸時代のお寿司の歴史、千葉県での太巻き寿司の歴史など。江戸時代の結婚式の献立の資料も掲載されていて、当時からお寿司が食べられていたことが実感できます。

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こちらは大正〜昭和の初めによく作られていた「伝承ずし」です。
海苔の一大生産地となった内房地域(君津、木更津、袖ヶ浦、市原)では、高価な海苔が庶民でも使えるようになると、一般の家庭でも海苔巻きが作られるようになりました。米と海苔の産地でたくさん使えたこともあり、細巻きを中に入れて太く巻く太巻き寿司が作られるようになったそうです。


歴史の冊子ですが、イラストや写真がふんだんに使われており、フリガナもふってあるので、お子さんでも太巻き寿司について楽しく学ぶことができます。
房総太巻き寿司を伝える会のみなさんの「お子さんにも太巻き寿司を知ってほしい」という思いから、作成した冊子を市原市教育委員会へ寄贈していただけることになりました。今後は小中学校や公民館の図書館でも手にとって読むことができるようになる予定です。

IMG_3714.jpg✓P1130902.JPG令和3年12月22日に行われた贈呈式は、市原市もかつては海苔の生産地であったことや、房総太巻き寿司や鶏雑炊(とりどせ)や豆造(とうぞ)など、郷土料理の話題で盛り上がりました。
上田さんも、「時間を作って現場で子どもたちに教えたい。太巻き寿司を食べたことがある人がいるうちに若い人に伝えたい。」「太巻き寿司を準備から作ることができる人、作り方を教えることができる人を育成していきたい。」と思いを語ってくれました。

藤井さんと上田先生.jpeg取材の最後に福嶋さんは「体に良く、見て綺麗、食べて美味しい、作って楽しい上総地方で200年作られてきた伝統郷土料理房総太巻き寿司。この味や技術を絶やすことなく受け継がれていくために、これからも活動を続けたいと思います。」とお話してくれました。

最近では五井駅周辺での朝市、夜市や、アート×ミックスで太巻き寿司を販売したそうです。小さい子にも食べやすいようカレー味やチーズを使ったお寿司も販売しています。今後も、人が集まるイベント等での販売を予定しているようなので見かけたら手にとってみてはいかがでしょうか。

房総太巻き寿司を伝える会の団体情報はこちらです。