【取材日記】市原シルバーカレッジ21の会ボランティアクラブ
更新日:2023年09月08日
『市原シルバーカレッジ21の会ボランティアクラブ』の活動を取材するために、菊間コミュニティセンターを訪れました。今日は、高齢者施設のミモザ市原とオンライン(注1)で音楽会を開催します。
注1 オンライン・・・インターネットに接続されて利用できる状態のことをいいます。オンラインの音楽会では、インターネットを使って、演奏した映像と音声を離れた施設で楽しむことができます。
『市原シルバーカレッジ21の会ボランティアクラブ』のみなさん
浅井善範副代表(左から3人目)と石田静江代表(左から4人目)
副代表の浅井善範さんは、活動について
「市原市内の高齢者施設を訪問して、利用者さんと一緒に歌を歌ったり、健康体操をしたりしています。歌は、ハーモニカとキーボードを演奏して、童謡や唱歌、昔のなつかしい流行歌・歌謡曲を、歌集を見ながら一緒に歌います。利用者さんやスタッフが一緒にウクレレで参加してくれる施設もあるんですよ。最後は、民謡に合わせて一緒に健康体操をします」。
本日のプログラム
歌の合間には、コップに入れた水がさかさまにしてもこぼれないマジックやハンドベルを使ったクリスマスソングの演奏をすることもあります。
また、浅井さんは、
「赤とんぼの3番の歌詞に『十五でねえやは嫁に行き』とありますが、『昔はそうだったんですね。今は、そんなことはないし、50になっても行かない人はたくさんいますからね』などと言って、場の雰囲気を作りながら演奏しています」と笑顔で話してくれました。
代表の石田静江さんは活動のきっかけについて、
「平成21年に市原市主催のシルバーカレッジを受講し、卒業に際して担当者からOB会の案内があり、先輩方を参考にしてOB会を設立しました。OB会の名称は『市原シルバーカレッジ21の会』に決まりましたが、ボランティアクラブの設立は継続審議となりました。OB会の会長から『OB会は会員同士が楽しむだけではなく、何か社会に貢献する会にしたい』という提言もあり、OB会の目的に『社会奉仕』が加えられ、ボランティアクラブが誕生しました。当初は、1つの高齢者施設で、月1回・1時間の健康体操とハーモニカ伴奏での合唱でした」と話してくれました。
オンライン音楽会のためにカメラやマイクを準備
その後、訪問する施設が増え、1カ月に7、8回訪問するようになりました。
しかし、昨年2月に緊急事態宣言が発令されたため、3月以降の活動が停止に。
浅井さんたちは考えました。
「約半年間、施設への訪問ができなくなりました。私たちの活動を続けるために、何か方法がないだろうか・・・。オンラインによる音楽会ができないだろうか。もし相手側の施設にWi-Fiが設置されていれば、あとはこちらから発信ができれば可能かもしれない。そこでWi-Fiの使えるレンタルスタジオを探しました。なんとかスタジオを見つけ、スタジオと施設を結んで、2カ月間、月に5回ほどオンラインで音楽会を実施することができました。その後、持ち運びのできるモバイルWi-Fiを1日単位で安く借りられることが分かり、昨年12月から今年1月までは、モバイルWi-Fi を借りて、公民館とコミュニティセンターから映像を発信しました」。
しかし、今年の1月にまた緊急事態宣言が発令。
「公民館などの公共施設が使用できなくなり、再度、活動が停止しました。そして今年の4月から活動を再開したところです。現在はボランティア連絡協議会からWi-Fiを借りられるようになったので、そちらを使わせてもらっています」と、浅井さんたちの活動は止まりません。
カメラに向かってみんなで健康体操
オンラインによる音楽会では、映像を受信する施設側の問題もあります。Wi-Fiも大型テレビもあるけれど、そのために使えるパソコンはないという施設もあります。そのようなときは、誰かがパソコンを施設に持って行き、映像を受信しなければなりません。
そこで浅井さんは、
「他の団体の協力を得ることにしました。私もメンバーになっている『傾聴の会ひだまり』の青木会長に頼み、相手側の施設にパソコンを持って行ってもらい、映像の受信やテレビへの接続をお願いしています。そして青木会長からは、発信側からは気づきにくいこと、例えばカメラの角度が曲がっていて足しか写っていないとか、音が小さくて聞こえないとか、様々なアドバイスをもらっています」と、ボランティアの輪が広がっています。
ハーモニカとキーボードに合わせて歌います
また、その他にも
「基本的には公民館やコミュニティセンターから発信していますが、電気があれば屋外からでも発信できます。そこで、先日5月9日に初めて野外コンサートを開催しました。姉崎の『市原SaToYaMaよくし隊』の活動拠点である『竹・いろりの里』を使わせてもらい、そこから発信。晴天にも恵まれ、とても気持ちよかったです。風が強く、演奏中に楽譜が吹っ飛んでしまうといったハプニングもありましたけど」と、笑顔。
パソコンからは拍手が鳴り止みません
今後について、浅井さんは、
「コロナが思ったよりも長引きそうなので、当分はオンラインの音楽会がメインになるのではないかと思っています。今後の展開としては、Wi-Fiがない施設でもテレビだけあれば、こちらでWi-Fiを2台用意することによってオンラインが可能になりますので、これからも活動を続けて広げていけたらいいなと思っています」と話してくれました。
私も『市原シルバーカレッジ21の会ボランティアクラブ』のみなさんの演奏で元気をいただきました。