【取材日記】おとずれ山の会

更新日:2023年09月08日

『おとずれ山の会』が整備を行っている天羽田にあるジャックの森(館山自動車道・姉崎袖ヶ浦IC近く)に伺いました。今日は活動日ではないのですが、数名の会員が取材のために急遽参加してくれました。

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高橋順子代表は『おとずれ山の会』について、

「平成18年から里山活動を始めました。その頃は若かったから、みんなで集まって夢を語っていましたが、今は病を語るようになってしまいました。でも私は、それはそれでいいと思っています。今まで15年間の作業の中で、病気でリタイアされた方もいますし、病気で亡くなられた方もいます。みんなで悲しんだり、喜び合ったりしながら、人と人とのつながりを持った里山活動をこれからも続けたいです。会員17名のうち3組が夫婦で女性は6名です。女性の一人は80才でリウマチを患っているのですが、草を鎌で刈ったり、自分のできる範囲で参加されています。休憩時間もおしゃべりが多くなって、ついつい作業を忘れてしまうこともあります。それでも私はいいんじゃないかと思って。私は『楽しさが第一』をモットーにしています」と笑顔で話してくれました。 

IMG_6924.JPG高橋和靖事務局長(左)と高橋順子代表(右)

高橋和靖事務局長は、

「楽しみながら作業をして、結果として、環境の保全や整備に寄与することができるなら、こんなにいいことはないという考え方です。森は、放っておくと下草が生え、藪が生え、人が入れなくなってしまいます。主に草刈りや間伐を行って、さらに間伐したものを細かく整理しています。一番気を使わなくてはいけないことは、安全です。安全のためにいろいろな講習を受けて、スキルを身に着けています。リスクはいつもあります。あるリスクを見えるようにして、そしてリスクをコントロールする安全管理が大事です」と笑顔の中にも真剣な表情です。

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希少生物のキンラン

チェーンソーを持っていた会員の伊藤太一さんは

「山の整備をする中で、チェーンソーは欠かせない道具になります。一昨年の台風の被害を受け、とてもボランティアでは片づけられないと思ったのですが、事務局長に一歩ずづ片づけようと言われ、みんなで徐々に整備しているところです。ここは台風前は落葉樹のコナラ林でした。『ジャックの森=落葉樹の森』だったのですが、残念ながら今ではその気配がないです」。

高橋代表と同じく夫婦で参加している伊藤さんは、

「退職してからこの活動に参加しているのですが、私一人が参加して女房は留守番というのも気が引けて。虫も嫌いで、最初は参加することを嫌がりましたが、今では女房の方が積極的に活動してくれるようになりました」。

奥さんの伊藤紋子(あやこ)さんも、
「女性も多いので、おしゃべりしたり、いろいろ楽しいことが多くなりました。緑の中にいることは、幸せなことで有り難いです。夫婦で共通の話題ができたことがすごくよかったです」と話してくれました。

IMG_6911.JPG伊藤さん夫婦

長老格の鎗田達郎さんも

「まだまだ駆け出しです。ここに来て一番楽しいことは、50年間してきた仕事を離れて、仕事に関係なく、みなさんと一緒に楽しくできるのが一番いいですね。もっと若いうちからやればよかったです。失敗しました」と笑顔。

東京育ちの関崎通郎(みちろう)さんも

「40年前に東京から袖ヶ浦市に転居しました。もともと自然派で、アウトドアが楽しくできることに生きがいを感じています。この場所は、市原と袖ケ浦の堺ですが、自然豊かなところで、いろいろな人が集まって、楽しく活動できる素晴らしい環境だと思います。台風で倒木がたくさん出てしまいましたが、その倒木を活かして、薪を作ってピザ屋さんに納めたり、自分たちでも薪ストーブを楽しんだり、それから倒木でシイタケも栽培できます。竹林も整備すればいいタケノコができ、広葉樹の落葉では腐葉土ができます。自然の楽しみが味わえますね」とみんなが笑顔です。

IMG_6915.JPG鎗田さん(左)と関崎さん(右)

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台風の倒木をシイタケの苗木に

高橋代表にみんなの笑顔の理由を伺うと、

「みなさん、それぞれ個性豊かな方です。その個性を大事にして、どこでどう働いてきたとか過去の事ではなく、今現在の人物、人格を尊重して、楽しくできることをやることが大切だと思います。コロナ禍で今はできないですが、みんなでハイキングをしたり、おいしいものを食べに行くイベントもあります」。

今後については、

「私の理想としては、ゆくゆくはこの山を子どもたちに開放して、自然観察会などのイベントを実施したいです。若い人が作業する楽しみを味わっていただけるように、今年から月1回土曜日を作業日に入れています。よかったら1回でも来て、下刈り機や鎌を持つ経験をしていただきたいです」。

事務局長は、

「このジャックの森が"すこしワイルドな公園"になったらいいかなと思っています。至れり尽くせりの全く危険のない公園じゃつまらない。たとえ丸太が置いてあるだけでも、ちょっと冒険したり挑戦したりできるような、ワクワクするような、ドキドキするような遊び場があるといいのでは」と話してくれました。

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みんなが笑顔になれて、すこしワイルドなジャックの森にあなたもおとずれてみませんか?

おとずれ山の会のホームページ