【取材日記】市原ボッチャクラブ・ユニバーサルスポーツいちはらクラブ
更新日:2023年09月08日
お知らせ
パラリンピックの正式種目になっている「ボッチャ」。
ここ数年、東京オリンピック・パラリンピックの開幕に向けて「ボッチャ」がニュースで紹介される機会も増えたことから、どんな競技かイメージできる人も増えたのではないでしょうか。
今回は、市原市からパラリンピックの代表選手を育てようと活動している「市原ボッチャクラブ」と「ユニバーサルスポーツいちはらクラブ」をご紹介します。
取材日は2020年12月19日。市原ボッチャクラブとユニバーサルスポーツいちはらクラブが主催する~「生涯スポーツ」ボッチャ&エンジョイボール体験会~の会場にお邪魔してきました。
「市原ボッチャクラブ」「ユニバーサルスポーツいちはらクラブ」の代表 門脇 倭雄(かどわき しずお)さんにお話しを伺いました。
「市原ボッチャクラブ」はパラリンピックや日本選手権大会参加出場への競技力向上を目指し、「ユニバーサルスポーツいちはらクラブ」は小学生から高齢者まで誰もが簡単で楽しい「生涯スポーツ」としてのボッチャを地域や小学校で普及推進しています。
門脇さんは1998年から始めた車いすバドミントンサポートがきっかけとなり、2002年に障害者スポーツ指導員講習会を受講してボッチャと出会いました。
「市原ボッチャクラブ」は2002年に初代 西 平八郎会長をはじめ選手、ご家族仲間で活動開始。設立当初から所属していた廣瀬 隆喜(ひろせ たかゆき)選手(現 西尾レントオール所属)はパラリンピックの北京、ロンドン大会、日本チーム代表団体戦で初の銀メダル獲得となったリオデジャネイロ大会に出場しています。
「ユニバーサルスポーツいちはらクラブ」は、2012年に子どもから高齢者まで誰もが楽しめる競技であることをもっと多くの方に知ってもらいたい、人生100年時代を元気に楽しく過ごすための健康増進とレクリエーションのツールとしてボッチャに親しんでもらいたいとの想いから立ち上げたそうです。
この日も幅広い年代の方が参加していましたが、初対面の方とも楽しそうに競技をしている皆さんの姿と、笑顔で指導される門脇さんの姿がとても印象的でした。
現在、「ユニバーサルスポーツいちはらクラブ」では自主的な体験会の開催に加え、社会福祉協議会や通いの場、公民館、小学校などからの要請を受け、生涯スポーツとしてのボッチャ体験会を市内各地で開催しています。レクリエーションとしてボッチャを楽しむことは、障がいを持つ方への理解、誰もが暮らしやすいまちを考えるきっかけにも繋がります。
令和元年度には、ボッチャ競技の選手育成、普及・振興活動が認められ、障害者の生涯学習支援活動功労者として「市原ボッチャクラブ」が文部科学大臣表彰を受賞しました。
ボッチャの魅力は、ルールが簡単でありながら一発逆転も可能な頭脳戦であることと、障がいに合わせたクラス分けがあり、年齢や障がいに関係なく誰でも楽しめるスポーツであることです。
「ボッチャ」はイタリア語でボールを意味します。脳原性疾患による四肢麻痺など、比較的重い障がいのある方のために考案されたヨーロッパ発祥のパラリンピック競技ですが、今では誰もが気軽に楽しめる生涯スポーツとしても広く普及してきています。
1対1の個人戦、2対2のペア戦、3対3の団体戦があり、男女の区別はありません。競技コートはバドミントンコートと同じ広さです。
競技に使うのは赤と青のボールが6球ずつ。目標となる白のジャックボールに一番近いボールを投げたチームがそのエンドの勝者となります。得点の計算方法は、負けたチームのボールでジャックボールに一番近いボールとジャックボールとの間にある勝者チームのボール数を、得点として加算します。これが大まかなルールですが、「ボッチャ」が面白いのは、ここから。
ジャックボールは先攻チームが好きな場所に投げ入れるので、相手コートから投げにくい場所に置いたり、遠投が得意なチームであればコートの一番奥に投げ入れることも出来ます。最終的にジャックボールにどれだけ自分チームのボールを集められるかが勝利への鉄則ですが、球を当ててジャックボールを動かす事が可能なので、最後の最後で一発大逆転も狙えます。
また、ボールは交互に投げ入れるのではなく、ジャックボールから遠い位置にボールを投げたチームが次の投球を行うことになります。
3対3のチーム戦の場合、1人の投球数は2回。相手チームよりジャックボールに近い場所に投げられなければ、不利な状況のままボールを投げ終わってしまい相手の結果を待つしかない展開もあります。
常に数手先の戦略を読み、チーム内で一投ずつ戦略を立て直す必要がある頭脳ゲーム。一度経験したら、ボッチャに魅了されてしまうこと間違いなしです。
現在、「市原ボッチャクラブ」に所属する選手は約30名。スタッフと選手の家族を合わせると会員は43名になるそうです。これからも世界で羽ばたく選手がクラブから育っていくのが楽しみです。
「ボッチャ」に興味を持った方は、まずは「ユニバーサルスポーツいちはらクラブ」が主催する体験会に参加してみてはいかがでしょうか。
体験会は不定期での開催となりますので、日程が決まり次第、まちサポいちはらのイベント情報でも掲載していきます。
みなさんも「ボッチャ」のルールを覚えて、パラリンピックのボッチャ観戦を誰よりも楽しんでみてください。